中国でインターネットを利用する際、多くの日本人や外国人が直面する問題があります。
それは、日本のウェブサービスや動画にアクセスできないということです。
中国政府は厳しいインターネット規制を敷いており、YouTubeやGoogle、Netflixなどの国外サービスは中国国内から直接利用できません。
しかし、VPN(仮想プライベートネットワーク)を使えば、これらの制限を回避し、自由に日本のサービスやコンテンツを楽しめます。
本記事では、中国でVPNがなぜ必要なのか、そしてどのような規制があるのかについて詳しく解説します。
VPNを使わないと中国で日本のサービス利用、動画視聴ができない
中国では政府が厳しくインターネットを規制しているため、日本のサービスや動画を視聴するには、VPNの利用が不可欠です。
ここからは、中国のインターネット事情や政府の規制の歴史について解説し、なぜVPNが必要なのかを詳しく見ていきましょう。
中国のインターネット事情
中国のインターネットは、政府の厳格な情報統制下にあります。
YouTubeやFacebook、Instagramなど、世界中で人気のある多くのソーシャルメディアやサービスは、中国国内からアクセスできません。
これは、政府が国内の情報流通を管理し、不都合な情報が広まるのを防ぐためです。
例えば、YouTubeは個人が自由に情報を発信できるプラットフォームです。
ここでは、政治的な意見や社会問題についての議論が行われることも多く、こうした情報が自由に流通することは、中国政府にとってはコントロールしづらいリスクとなります。
過去には、国内の事件や抗議活動がYouTubeを通じて世界中に広まり、政府が意図しない形で国際社会に知られてしまったこともありました。
こうした事態を避けるため、政府は強力なネット規制を設けているのです。
政府による規制の歴史
中国政府によるインターネット規制は、かなり昔から行われてきました。
GoogleやWhatsApp、LINEなど、世界的に利用されているサービスが中国では利用できないのもその一環です。
さらに、Twitchのような動画配信サービスも、一時は中国国内で高い人気を誇っていましたが、政府の意向により突然アクセス禁止となり、今ではアプリストアからも姿を消しています。
このように、中国政府は情報の流れに目を光らせ、政治的安定や社会秩序の維持を理由に、必要と判断した場合には国内外を問わずアクセスを遮断します。
そのため、日本の動画やサービスを利用するには、VPNで中国外のサーバーに接続しなければなりません。
外国人旅行者や中国国内にいる日本人は、VPNを使うことで、日本のニュースや動画、その他のサービスにアクセスしています。
VPNは、暗号化された通信を行い、インターネット上のトンネルを通じて、政府のフィルタリングを回避する手段として有効なのです。
中国でVPN規制強化が始まり、一部のVPNは使用不可に
最近、中国ではVPNの規制が一段と強化され、特定のVPNサービスが使用できなくなっています。
これにより、海外のウェブサービスにアクセスしたい人々にとって、大きな影響が出ています。
ここでは、規制強化による影響や代替手段について詳しく見ていきましょう。
グレートファイアウォールの強化
中国政府は「サイバーセキュリティ法」の施行をきっかけに、インターネット規制をさらに厳格化しました。
2017年以降、多くの無料VPNサービスが次々とブロックされ、利用が困難になっています。
規制強化によって、有料のVPNサービスでも利用できなくなっているため、規制されていないVPNを知らないと、損する可能性があります。
規制強化を回避できるVPN
規制強化されましたが、有料VPNの中には規制を回避できるものがあります。
例えば、「MillenVPN」は、中国から日本を含む海外のウェブサービスに安全にアクセスできる手段を提供しており、セキュリティ面でも信頼性が高いとされています。
このようなサービスは、暗号化技術やサーバーの運用方法を工夫することで、政府の規制をかいくぐれます。
ただし、こうしたサービスの利用状況は状況に応じて変わるため、最新情報を定期的に確認することが重要です。
中国でVPNを使うと違法?捕まらない?
中国では、VPNの利用に関して厳しい規制があり、ほとんどの海外製VPNサービスが禁止されています。
しかし、すべてのVPNが違法というわけではなく、政府が認可したVPNを使うことは合法とされています。
ここからは、VPNの違法性や使用する際の注意点、そしてVPNを利用することで中国国内でどのようにインターネットが使えるかについて詳しく見ていきましょう。
違法ではないが注意が必要
中国でVPNの使用が全面的に禁止されているわけではありません。
政府の認可を受けていないVPNを利用すると、法律違反と見なされ、罰金を科される可能性があります。
1997年に制定された法律では、国際的なネットワークに接続する際は政府が認めた通信サービスを利用しなければならないと定められており、後にこの法律はVPNにも適用されるようになりました。
2019年以降、認可されていないVPNを使うと罰金を科されるという報道もありました。
とはいえ、外国人がVPNの利用で罰せられるケースは非常にまれです。
しかし、VPNを使って政府を批判するような内容にアクセスしたり、発信したりする場合には、リスクが高まる可能性があります。
そのため、VPNを利用する際には、使用目的を慎重に考え、安全に配慮することが大切です。
そもそもVPNを使うと中国でもネットが使えるの?
VPNは、中国国内で制限されているウェブサイトやサービスにアクセスするための便利なツールです。
VPNを通じて接続すると、「グレートファイアウォール」を回避して、YouTubeやFacebook、Googleなど、政府によってブロックされているサイトにもアクセスできます。
多くの外国人や中国国内の住民がVPNを使って制限された情報にアクセスしていますが、中国ではインターネットの利用に対して政府の厳しい規制と監視が存在することを忘れてはいけません。
VPNの利用は、自己責任で行い、リスクをよく理解してから使うようにしましょう。
【最新】中国で使えるVPNおすすめ4選
中国でインターネットを使う際、VPNは必須のツールです。
中国政府の厳しいインターネット規制を回避し、安心してウェブサイトやサービスにアクセスするためには、信頼性の高いVPNを選ぶことが重要です。
ここからは、中国で利用できるおすすめのVPNサービスを4つ紹介します。
サービス名 | ExpressVPN | MillenVPN | 12VPX | UCSS |
---|---|---|---|---|
月額料金 | 8.33ドル/月~ | 360円/月~ | 9.92ドル/月~ | 36ドル/3ヶ月~ |
サーバー 設置国数 | 105ヶ国以上 | 72ヶ国以上 | 25ヶ国以上 | 16ヶ国以上 |
サーバー数 | 3,000台以上 | 1,300台以上 | 不明 | 不明 |
同時接続可能 デバイス数 | 8台 | 10台 | 6台 | 3台 |
ノーログ ポリシー | 記載あり | 記載あり | 記載あり | なし |
保証・無料期間 | 30日間返金保証 | 30日間返金保証 | 14日間返金保証 | なし |
公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
ExpressVPN
料金(税込) | 1ヶ月:12.95ドル/月 6ヶ月:9.99ドル/月 12ヶ月:8.33ドル/月 |
サーバー設置数 | 105ヶ国3,000台以上 |
接続デバイス数 | 最大8台 |
運営会社 | Kape Technologies |
サポート体制 | 24時間365日(日本語対応可) |
無料体験 | 30日間の返金保証 |
公式サイト | 公式サイトはこちら |
- 様々な国にアクセスできる
- 通信速度に特化している
- 日本語の問い合わせが可能
ExpressVPNは、シンガポールに本社を置くVPNサービスで、世界105ヶ国以上に3,000台以上のサーバーを展開しています。
その最大の特徴は、通信速度の速さと接続の安定性です。
中国での利用でも高速で安定した接続が可能で、特に動画のストリーミングや大容量データのダウンロードを行う際に効果を発揮します。
料金は月額8.33ドルからで、最大8台までのデバイスを接続できます。
さらに、30日間の返金保証があるため、気軽に試せます。
MillenVPN
料金(税込) | 1ヶ月:1,580円/月 1年:540円/月 2年:360円/月 |
サーバー設置数 | 72ヶ国1,300台以上 |
接続デバイス数 | 最大10台 |
運営会社 | アズポケット株式会社 |
サポート体制 | 24時間365日(日本語対応可) |
無料体験 | 30日間の返金保証 |
公式サイト | 公式サイトはこちら |
- 同時接続台数は10台でコスパがいい
- 日本語のサポートが充実している
MillenVPNは、日本のアズポケット株式会社が運営しているVPNサービスです。
72ヶ国以上で1,300台以上のサーバーを運営しており、中国国内でも安定して利用できます。
高速な通信と高いセキュリティレベルを備え、特にプライバシー保護が徹底されています。
月額360円から利用可能で、最大10台までのデバイスを同時に接続できるため、複数の端末を持つユーザーにも最適です。
さらに、30日間の返金保証があるので、安心して利用を開始できます。
12VPX
料金(税込) | 1 ヶ月:19.99ドル/月 6 ヶ月:13.17ドル/月 12 ヶ月:9.92ドル/月 |
サーバー設置数 | 25ヶ国以上 |
接続デバイス数 | 6台 |
運営会社 | Wanwire B.V. |
サポート体制 | メール対応のみ |
無料体験 | なし |
公式サイト | 公式サイトはこちら |
- 中国から日本に接続可能
- 中国での利用に特化している
12VPXは、オランダのWanwire B.V.が提供するVPNサービスで、中国のインターネット規制に強いことが特徴です。
25ヶ国以上にサーバーを持ち、特に中国からの接続に最適化されています。
月額9.92ドルから利用可能で、6台以上のデバイスに接続できます。
ただし、サポートは英語のみの対応となっているため、英語でのコミュニケーションに抵抗がない人向けです。
UCSS
料金(税込) | 3ヶ月:36ドル/月 12ヶ月:108ドル/月 |
サーバー設置数 | 16ヶ国以上 |
接続デバイス数 | 3台 |
運営会社 | UCSS |
サポート体制 | メール対応のみ |
無料体験 | なし |
公式サイト | 公式サイトはこちら |
- 通信速度が速い
- 中国での利用に特化している
UCSSは韓国に本社を置くShadowsocks専用のVPNプロバイダーで、中国での利用に特化しています。
接続の安定性と速度で非常に高い評価を得ており、中国国内でのインターネット利用に最適な選択肢です。
ただし、月額9ドルとやや高めの料金設定です。
1ヶ月プランはあるものの、サービスの質が下がるため、長期的に安定した接続を求めるユーザーに向いています。
NordVPNは中国では使えない?
NordVPNは、その高いセキュリティとパフォーマンスで世界中のユーザーから支持されているVPNサービスです。
運営元のTefincom & Co., S.Aはパナマに拠点を構え、111ヶ国以上に6,000台以上のサーバーを展開しています。
特にインターネット規制が厳しい地域での利用が可能な点が、大きな魅力の1つです。
例えば、中国のように厳しい規制が課せられている国でも、「難読化サーバー」を使うことでVPNの通信を隠し、「グレートファイアウォール」を回避できると言われていました。
しかし、最近の中国におけるインターネット規制の強化に伴い、NordVPNも一部地域で接続が不安定になっているのが現状です。
中国当局によってNordVPNのサーバーがブロックされており、開発チームはこの問題に対応していますが、現時点では中国国内での安定した利用が難しい状況が続いています。
公式サイトでも、この問題に対する謝罪と、解決に向けた取り組みが進行中である旨が発表されています。
VPNを使い中国から日本のサービスにアクセスする手順
中国から日本のウェブサービスにアクセスしたい場合、VPNは欠かせないツールです。
政府の厳しいインターネット規制を避けて安全に接続するためには、信頼できるVPNを選び、正しく設定することが重要です。
ここでは、VPNの契約からインストール、接続までの手順を詳しく説明します。
まず最初に行うべきことは、VPNサービスの契約です。
中国に渡航する前に、日本でVPNサービスに契約し、設定を完了させましょう。
なぜなら、中国国内からではVPNサービスのウェブサイトがブロックされている可能性があるためです。
契約する際は、サービスの信頼性、サーバーの数、速度、セキュリティの強度を確認し、30日間の返金保証が付いているサービスを選ぶと安心です。
契約はオンラインで完了し、料金プランを選択後、支払い情報を入力するだけで簡単に行えます。
次に、契約したVPNサービスのアプリをデバイスにインストールします。
ほとんどのVPNは、Windows、Mac、iOS、Androidなど、さまざまなプラットフォームに対応しています。
インストールが完了したら、アプリを起動してアカウント情報を使ってログインします。
中国での使用を想定しているVPNには、特別な設定が必要な場合もあるので、公式サイトのガイドやサポートを確認し、必要な設定を済ませておきましょう。
ログインが完了したら、VPNアプリ内で日本のサーバーを選んで接続します。
これにより、日本国内からアクセスしているように見せかけることができ、YouTubeやNetflix、ニコニコ動画など、日本限定のサービスを利用できるようになります。
接続が成功したら、ブラウザやアプリを使って、通常通りウェブサービスを楽しめます。
安全なVPNの選び方
中国でインターネットを利用する際は、厳しいネット規制を回避して安全にオンラインにアクセスできるVPNを選ぶことが非常に重要です。
ここでは、中国で安心して使えるVPNを選ぶためのポイントを紹介します。
中国のネットワーク事情に対応している
中国では、YouTubeやGoogle、Facebookといった多くの海外サービスが利用できません。
そのため、中国のネット規制に特化したVPNを選ぶことが大切です。
良質なVPNは、高度な技術でグレートファイアウォールを回避し、政府の検閲を突破できます。
また、信頼できるVPNサービスでは、中国での利用に関する詳細なガイドやトラブルシューティングの情報を提供していることが多いです。
例えば、突然の規制強化や新しいブロック対策が導入された場合でも、すぐに対応方法がわかるので、安心して利用を続けられます。
返金保証が用意されている
VPNサービスを選ぶ際に確認しておきたいのが「返金保証」の有無です。
特に、中国のようにネット環境が不安定で、VPNが思うように機能しない地域では、サービスに満足できなかった場合に返金保証があると安心です。
一般的には30日間の返金保証を提供しているサービスが多く、この期間内に自分のニーズに合っているかどうかを試せます。
もし、満足できなければ全額返金を受けられるので、初めてVPNを利用する方にもリスクが少なく、おすすめです。
サポート体制が整っている
VPNを選ぶ際に忘れてはいけないのが、サポート体制です。
特に、技術的なトラブルや緊急時に頼れるサポートがあると、安心して利用できます。
24時間対応のライブチャットサポートがあるVPNサービスなら、問題が起きたときにいつでも問い合わせができるので安心です。
また、サービスによっては日本語サポートを提供している場合もあります。
英語が苦手な方でも、日本語でサポートが受けられると心強いです。
サポートの質が高ければ、何かトラブルが発生した際にもすぐに解決に導いてくれるので、ストレスなくVPNを利用できます。
中国で使えるVPNに関するよくある質問
中国でVPNを使うと、厳しいネット規制を回避してインターネットにアクセスできる便利なツールになります。
しかし、VPNの使用に関してはいくつか疑問を感じる方も多いでしょう。
ここでは、中国でVPNを利用する際によくある質問についてお答えします。
中国で無料のVPNは使えるのか?
中国での無料VPNの使用はあまりおすすめできません。
無料VPNは、セキュリティや信頼性に欠けることが多く、中国の厳しいネット規制を効果的に回避できない場合がほとんどです。
さらに、無料VPNプロバイダーの中には、ユーザーのデータを収集し、それを広告主に売ることで収益を得ているところもあります。
これでは、プライバシーが危険にさらされてしまいます。
安心して使うためには、多少の費用はかかりますが、セキュリティ面でも信頼できる有料のVPNを選ぶことを強くおすすめします。
日本から中国にVPN接続してもいい?
日本から中国にVPNを使って接続することは、一般的には問題ありません。
日本にいる中国人のビジネスパーソンや旅行者が、VPNを使って中国のウェブサイトにアクセスし、安全なインターネット接続を確保しています。
ただし、中国国内でVPNを使う場合は注意が必要です。
日本から中国に接続する分には特に問題はありませんが、逆に中国から日本へ接続する場合は、中国政府が認可しているVPNを利用することが大切です。
どうしてVPNでセキュリティを上げられる?
VPNを使うと、インターネット接続が暗号化され、オンライン活動を保護できます。
VPNを通してインターネットにアクセスすると、データは暗号化されたトンネルを通って送信されます。
これにより、ISP(インターネットサービスプロバイダー)や政府機関、ハッカーなど第三者によるデータの盗み見や傍受を防げるのです。
特に、公共のWi-Fiを使う場合には、VPNが大きな役割を果たします。
カフェや空港などでの公共Wi-Fiはセキュリティが低く、悪意のある第三者にデータを盗まれるリスクがありますが、VPNを使うことで安全に通信ができるのです。
中国で使えるおすすめVPNまとめ
中国で日本のサービスや動画にアクセスするためには、VPNの利用が欠かせません。
しかし、近年のVPN規制強化に伴い、利用できるVPNサービスの選択肢が減少していることも事実です。
安全で快適にインターネットを利用するためには、信頼できるVPNを選び、常に最新の規制情報を確認することが大切です。
この記事を参考に、適切なVPNを選んで中国でも自由なインターネット生活を楽しんでください。