国内のレンタルサーバーと海外のレンタルサーバーどちらの方がいいのか迷われている方も多いのではないでしょうか。Webサイトで「レンタルサーバー」と検索すれば、多くが国内のレンタルサーバーが表示されることでしょう。
しかし、口コミや評判の中には海外のレンタルサーバーの方がコストパフォーマンスが高く比較的リーズナブルな価格で利用できると書かれていることも多く見かけます。
本記事では、海外のレンタルサーバーの以下の点について着目して解説していきます。
- 海外レンタルサーバーを利用する理由
- 海外レンタルサーバーを使うメリット・デメリット
- 海外レンタルサーバーの選び方や比較ポイント
- 海外レンタルサーバーおすすめランキング
- 海外レンタルサーバーを導入する方法
海外のレンタルサーバーの利用を検討されている方はもちろん、国内のレンタルサーバーを利用されている方も、ぜひ参考にしてみてください。
海外レンタルサーバーを利用する理由
海外のレンタルサーバーを利用する理由は、主に以下の2つがあげられます。
- コストパフォーマンスが高い
- 海外向けのWebサイトやECサイトを運営しているため
それぞれ解説します。
コストパフォーマンスが高い
海外レンタルサーバーを選ぶ大きな理由の一つに、コストパフォーマンスの高さがあります。国内のサーバーよりも安く、多くの機能を利用できるため、お金を節約しながらも質の高いサービスを受けることができます。
例えば、ある海外のレンタルサーバーでは、月額1000円未満で利用でき、それでいてデータ保存の容量も大きく高速のインターネット接続が保証されているものもあります。
Webサイト運営をしていく上で、コストは必ずかかりますが、コスト以上のパフォーマンスを発揮する機能が搭載されているかどうかも重要なポイントになります。
海外向けのWebサイトやECサイトを運営
海外向けのWebサイトやECサイトを運営する際には、その国のユーザーにとって速いアクセスが可能なサーバーが必要です。海外レンタルサーバーを使用することで、現地のユーザーに対して素早いページの読み込み速度を提供できます。
サイトの読み込みスピードは、ユーザー満足度を向上させるだけでなく、リピーターになってもらい売上の増加に繋がるため非常に重要です。
たとえば、アメリカ向けに商品を売る場合、日本国内のレンタルサーバーを通して運営をするよりも、アメリカにレンタルサーバーを持つことで、より早い読み込み速度が実現します。
複雑な設定やトラブルを避けるため
近年、国内外を問わずサーバー管理でよく取り上げられるのがAmazonの「AWS(Amazon Web Services)」です。AWSは世界中の多くの地域をカバーしており、好きな地域・国にサーバーを設置できる点が強みです。
しかし、AWSを使って海外サーバーを設定する際は、細かな設定ミスが大きな請求につながるリスクがあります。また、多くの機能を持つが故に、使いこなすにはある程度の知識と時間が必要です。
一方で、現地のサーバー会社を利用すれば、複雑な設定や問題を回避でき、よりスムーズにサーバーを運用できるでしょう。日本のように自然災害が多い国では、事故や自然災害でサーバーが停止するリスクも高いため、国内サーバーのみに頼るので
はなく、海外のサーバーをバックアップとして用意することは選択肢の一つです。
海外レンタルサーバーを使うメリット
海外のレンタルサーバーを使うメリットは、以下の4点です。
- 現地でのアクセス速度が速い
- コストパフォーマンスが高い
- IP分散でSEO対策ができる
- 現地でのビジネスに有利
一つずつ解説します。
現地でのアクセス速度が速い
Webサービスのアクセス速度には、サーバーの物理的な位置が大きく関係しています。つまり、データセンターの近くにいるユーザーは、速い速度でアクセスでき、遠くにいるユーザーはアクセス速度が遅くなるというわけです。
海外市場を対象としたビジネスを行う際には、その地域の利用者にとって高速なアクセスが可能であることが大きなメリットです。インターネットの速度自体は年々向上していますが、データの送受信は距離によって影響を受け、遠くのサーバーからのアクセスは時間がかかる傾向があります。
たとえば、日本にあるWebサイトが1秒で読み込める場合でも、アメリカからのアクセスでは10秒以上を要する場合があります。それにより、ユーザー満足度を満たせず、SEOの観点から見てもマイナス評価となります。
海外の利用者にサービスを提供したい場合は、海外のレンタルサーバーの活用を検討することが賢明でしょう。特にアメリカにおいては、多くの地域にデータセンターが設置されており、どの国からでも一定の速度でアクセスが可能です。
コストパフォーマンスが高い
サーバーの所在地や国によって、海外のレンタルサーバーは国内のものよりも低コストでありながら多くの機能を搭載している場合が多くあります。
また、無制限でデータの転送や保存が許可されているレンタルサーバーが多いことも、コストパフォーマンスが高いと評価される理由の一つです。
これにより、日本国内のサーバーよりもランニングコストが少なく、充実したサービスを受けられる点が大きなメリットとなっています。特に費用の面で国内サーバーの利用が難しいと感じている方々にとって、海外レンタルサーバーはおすすめです。
IP分散でSEO対策ができる
海外レンタルサーバーを使ってIPアドレスを分散することで、検索結果の順位が向上する可能性があります。Webサイトにとって、リンクの数が多ければ多いほど、検索エンジンによる評価が高くなる傾向があります。
この特性を活かし、メインサイトへのリンクを増やすためにサブサイトを設けるSEO戦略が考案されました。ただし、もしメインサイトとサブサイトが同一のIPアドレスを共有している場合、Googleに不正行為とみなされるリスクがあります。
そのリスクを回避するため、サブサイトは異なる国のサーバーを利用し、メインサイトと異なるIPアドレスにする手法が取り入れられています。この手法はIP分散と呼ばれ、効果的なSEO戦略として知られています。
ただし、リンクを設置するだけでは不十分で、リンク先の品質が重要であるため、質の高いコンテンツへのリンクが必要です。
海外レンタルサーバーを使うデメリット
海外のレンタルサーバーを利用するメリットは多くありますが、その反面デメリットも存在します。
- 日本語非対応のレンタルサーバーもある
- 日本国内からのアクセス速度が遅くなる場合がある
上記のデメリットを考慮した上で、海外のレンタルサーバーの導入を検討することをおすすめします。
日本語非対応のレンタルサーバーもある
海外レンタルサーバーは通常、現地で運営されており、サポートは主に英語です。これにより、日本語の対応ができなくなってしまい、問題が発生した場合にはコミュニケーションが困難になることがあります。
現在は技術の進歩により、翻訳ツールが充実しており簡単なメール交換程度であれば対応可能ですが、より複雑なニュアンスの伝達や電話対応は課題です。
さらに、時差によるコミュニケーションの遅延も多く、迅速な対応が求められる場面では、メールの返信が遅れることが頻繁にあります。
これらの点は、「国内サービスではもう解決しているだろう」という思いを強くさせ、「電話で直接話ができない」という事実が大きなデメリットとなるでしょう。
日本国内からのアクセス速度が遅くなる場合がある
海外のレンタルサーバーを使用すると、日本からのアクセス速度が低下する可能性があります。そのため、日本向けのWebサイトには不向きです。
もし、提供するサービスの対象が日本国内のユーザーだとしたら、海外レンタルサーバーの利用を避けた方が賢明でしょう。
海外レンタルサーバーの選び方や比較ポイント
海外のレンタルサーバーを選び方や比較ポイントは以下の4つです。
- スペック
- サポート体制の充実度
- 料金
- WordPress簡単インストール機能がついているか
スペック
海外のレンタルサーバーを選ぶ際に、最も重要な点はスペックです。
高性能なスペックを搭載したサーバーを選ぶことで、Webサイトの読み込み速度が速くなり、結果的にユーザー満足度も高くなります。
たとえば、大量の画像や動画を扱うWebサイトの場合、処理速度やデータ保存容量が大きいサーバーが求められます。これにより、ページがすぐに開きサイト離脱率を軽減されます。
サポート体制の充実度
海外サーバーを選ぶ際、サポートの質も重要です。特に言語の壁があるため、日本語でのサポートが可能かどうかを確認することが重要です。
万が一、トラブルが発生した際に、日本語で迅速に対応してもらえるかどうかは、サービスの使い勝手を大きく左右します。24時間対応のサポートや、チャットでの問い合わせが可能なサーバーを選ぶと安心でしょう。
料金
海外レンタルサーバーの料金は、サービスの質や提供される機能によって大きく異なります。
低価格で基本的な機能を備えたサーバーから、高価格でも高度なセキュリティや拡張性を提供するサーバーまで様々です。具体的には、月額数百円から始まるプランもあれば、より専門的なニーズを満たすために数千円を超えるプランもあります。
予算に合わせて最適なサーバーを選びましょう。
WordPress簡単インストール機能がついているか
ブログやWebサイトを運営する際、世界で多くのユーザーに使われている「WordPress」のWordPress簡単インストール機能がついているものを選ぶようにしましょう。
専門的な知識やPC関連の操作が苦手な方でも、簡単に設定できるようクリック操作だけでアプリケーション等を設置することが可能です。
WordPress簡単インストール機能があると、詳しい知識がない方でもすぐにWebサイトの構築を始めることができます。
海外レンタルサーバーおすすめランキング
サービス名 | Bluehost | DreamHost | hostmonster | HostGator | SiteGround |
---|---|---|---|---|---|
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
月額料金 | 2.95ドル | 2.95ドル | 2.95ドル | 3.75ドル | 2.99ドル |
ディスク容量 | 50GB | 50GB | 無制限 | 無制限(条件あり) | 20GB |
転送量 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
WordPress簡単インストール | ⭕️ | ⭕️ | ⭕️ | ⭕️ | ⭕️ |
無料独自SSL | ⭕️ | ⭕️ | ⭕️ | ⭕️ | ⭕️ |
公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
海外のレンタルサーバーのおすすめ5選を、上記の表に記載しました。
どれも、転送量、WordPress簡単インストール機能が搭載されており、コストパフォーマンスを重視して厳選しました。
それぞれの特徴や、おすすめポイントを解説していきます。
Bluehost
Bluehostは長い歴史を持つレンタルサーバーであり、WordPress.orgにも正式に推薦されていることで知られています。
様々なキャンペーンを実施しており、その中でも最もお得なプランは月額2.95ドルからです。このプランには1年間無料ドメインを提供するという特典が含まれています。
また、管理画面は非常に使いやすく設計されており、海外レンタルサーバーを初めて使う方でも簡単に操作が可能です。
最も低価格なプランではいくつかスペックに制限がありますが、価格を考慮すれば十分な性能でしょう。
特に「海外のサーバーを試してみたい」と考えている方や「使いやすさを重視したい」というニーズには、Bluehostが適しています。
DreamHost
DreamHostの魅力は、WordPress簡単インストール機能が搭載されているプランを月額2.59ドルから利用可能であるという点です。
このサービスは年単位の契約ではなく、月単位での契約が選べるため、利用者は他のサービスよりも気軽に始めることができます。
この価格設定にもかかわらず、ディスク容量やデータ転送量は無制限であり、他の競合サービスと比較しても性能で劣ることはありません。
さらに、直感的に操作できるよう管理画面は設計されており、海外のサーバーを初めて扱う人でも簡単に使用開始できる点がおすすめです。
ただし、最もコストが低い「WordPress Basic」プランでは、一つのサイトしか運営できない点には注意が必要です。複数のサイトを管理したい場合には、「WordPress Unlimited」プラン(月額3.95ドル)の選択が望ましいでしょう。
hostmonster
hostmonsterは、初めに行う登録作業や操作性がシンプルで使いやすいという点で好評なレンタルサーバーです。
基本料金は月額9.49ドルですが、特別キャンペーンを利用すれば2.95ドルで利用できます。(2024年8月時点)
このサービスはブルーホストと同じグループ企業によって提供されており、顧客サポートも同等の質を保っています。大規模企業による運営のため、サーバーの突発的な問題やサポートの遅れは少なく、安定した運用が強みです。
地元のレビューによると、過去に大きな問題が発生した記録はほとんどありません。さらに、サービス利用前に提供されるデモ動画があり、サーバーの使い方をわかりやすく解説してくれます。
WordPressをすぐに設定できる環境も提供されており、使い勝手の良さで多くのユーザーに支持されているレンタルサーバーです。
HostGator
HostGatorは、無制限のディスク容量と転送量を提供しており、抜群のコストパフォーマンスを実現しているレンタルサーバーです。
業界内で広の認知度は非常に高く、900万以上のドメインが登録しています。ブルーホストと同様に、定期的な割引キャンペーンが実施されており、キャンペーン期間中は利用料が月額3.75ドルまで下がります。
また、どのプランにもWebサイトビルダーという機能が備わっており、特に初心者には使いやすく設計されたサポート体制が充実している点も大きなポイントです。
しかし、3年契約を選ばないとコストの面で利便性に欠けるという点もあるので注意しましょう。月額や年単位のプランでは費用が高くなるため、長期契約に踏み切れない人にはお勧めできません。
長期での契約を検討している方にとっては、おすすめできるレンタルサーバーです。
SiteGround
SiteGroundは、2014年に業界では新人の海外レンタルサーバーです。設立からわずかな期間ではあるものの、海外のレビューサイトにおいて高い評価を受けております。
高評価を得ている理由については、以下の3点が挙げられます。
500名を超えるサポートチームが提供する丁寧な顧客対応。
- 500名を超えるサポートチームによる丁寧な顧客対応。
- 直感的に操作できるシンプルな管理画面。
- 世界の三大陸に配置されたデータセンターにより、どの国からでも安定した接続が可能。
特に、複数のWebサイトを低コストで運用したいと考えている方にとって、SiteGroundはおすすめです。
海外レンタルサーバーを導入する方法
海外のレンタルサーバーの導入方法を、手順ごとに解説していきます。
どのレンタルサーバーも、基本的な手順は同じですが、中には途中で各レンタルサーバーでの設定方法が必要な場合があるので、その際には公式サイトにて参照してください。
今回は、Bluehostでのレンタルサーバーを導入する手順を解説します。
ステップ①:公式サイトから申し込みをする
公式サイトにアクセスし、「Get Started」というボタンをクリックします。すると様々なプランが表示されるので、最適なプランを選択し、「selectボタン」を押しましょう。
ステップ②:ドメインの新規取得
画面が移り変わり、セッタップ画面に移動します。セットアップ画面では以下の3つのオプションから選択できます。
- Create a new domain:公式サイト内でドメインを取得する方法
- Use a domain you own:お名前ドットコムなどで購入したドメインをこちらのサイトと連携する方法
- I’ll create my domain latter:あとで設定する
Bluehost内でドメインを取得する場合の費用は無料なので、ドメインがない方は①を選択しましょう。すでにドメインを取得している場合は②で大丈夫です。
ステップ③:アカウント情報の登録
ここでは、自身おアカウント登録に関する情報を記入します。
記入内容は、名前・会社名・国・住所・電話番号・メールアドレスなどと、国内で設定する方法とそれほど変わりはありません。
上記の情報を入力したのち、プランを選択する画面い移ります。自身に最適なプランを選択して必要であれば各オプションにチェックを入れておきましょう。
ステップ④:支払い方法の選択
支払い方法は、クレジットカードとPayPalの2種類のみ可能です。
支払い情報の記入が完了したら、「Account creation」ボタンをクリックします。画面が変わり、Domain(ドメイン名)・Password(パスワード)を入力したら、利用規約に目を通してチェックをし「Create」ボタンを押せばアカウントの作成完了です。
海外レンタルサーバーに関するよくある質問
海外のレンタルサーバーと国内のレンタルサーバーの違いは?
海外のレンタルサーバーと国内のレンタルサーバーの違いは、サーバーの設置場所です。海外のレンタルサーバーは海外にサーバーを設置しており、国内のレンタルサーバーは国内にサーバーを設置しています。
海外のレンタルサーバーの注意点は?
海外のレンタルサーバーを利用される場合には、以下の2点に注意しましょう。
- サポートに日本語対応していない場合が多い
- 広告が頻繁に自動表示される
- サーバースペックに制限がある
海外レンタルサーバーはどのような人におすすめ?
海外のレンタルサーバーがおすすめな人は、海外ユーザーを対象としたネットビジネスやWebサイト運営を行う方におすすめです。
というのも、海外にサーバーが設置してあることで、現地からのWebサイトへのアクセス速度も速くなるなるため、ユーザー満足度も自ずと高まります。
海外レンタルサーバーまとめ
今回は、海外のレンタルサーバーおすすめランキング5選と国内のサーバーとの違いについて紹介しました。
- 海外のレンタルサーバーは、国内のレンタルサーバーよりもコストパフォーマンスが高い傾向にある
- 海外でWebサイトやECサイトを運用する場合は、現地のサーバーを利用するとアクセス速度が速くなる
- サーバーを選ぶ時には、スペック・サポート体制の充実度・料金・WordPress簡単インストール機能がついているかを確認する
- 日本語非対応なレンタルサーバーもあるため、事前に確認することが重要
海外のレンタルサーバーを利用することで得られるメリットは非常に多く、現地でビジネスをしていく場合には日本国内のサーバーではなく、海外のサーバーを利用することをおすすめします。
しかし、海外だからコストパフォーマンスが絶対に良いという分けで選ぶのではなく、自身の用途に最適なサーバーとプランを選択することが重要になります。