インターネットに接続する時に、個人情報漏洩や不正アクセスに対する不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
スマホやPCの中には、仕事で扱う重要なデータなどが入っている場合は、特に不正アクセスなどの外部からの攻撃に注意しなければなりません。
上記のようなお悩みの解決策として、VPNアプリ(バーチャルプライベートネットワーク)の導入に保護施策です。
VPNアプリを導入すると、使用しているPCやスマホの通信内容を暗号化してプライバシー保護に繋がり、国外内問わず限定されたあらゆる地域のサイトやサービスを利用できるなど、多くのメリットが得られます。
本記事では、VPNの基礎知識から、おすすめのVPNアプリを有料版と無料版に分けて紹介していきます。
VPNアプリの導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
VPNアプリとは
VPNアプリは、PCやスマホにインストールすることでVPN接続を可能にするソフトウェア・アプリです。
このアプリを使うことで、外部攻撃などの危険性のある公共のWi-Fiを利用しても、安全にネットワーク通信を行うことができます。
「VPNってそもそも何?」と疑問に思っている方には、次の章にてVPNの基本について説明します。
VPNとは?
VPNは、「Virtual Private Network」の頭文字を取ったもので、個人専用のネットワークを意味します。カフェや駅にあるフリーWi-Fiや公共のネットワークは情報の漏洩や、改ざんの可能性があり安全とは言えません。
この問題を解決するために、VPNでは通信内容を暗号化し、匿名でのデータ交換を可能にしており、これにより情報が保護され安全に通信することが実現します。
また、VPNは専用線に比べてコストが低く抑えられ、同等の通信品質を得られるため、IPアドレスが第三者に漏洩するといったリスクも低減されます。
VPNアプリおすすめ比較ランキングTOP5
サービス名 | NordVPN | ExpressVPN | Surfshark | MillenVPN | スイカVPN |
---|---|---|---|---|---|
運営会社 | NordVPN s.a. | Express Technologies Ltd. | Surfshark VPN | アズポケット株式会社 | 株式会社MAJ Tech |
月額料金/税込 | 460円〜 | 6.67ドル〜 | 308円〜 | 396円〜 | 799円〜 |
OS | Windows、MacOS、Linux、Android、iOS | Windows/MacOS/Android/iOS/Linux/Fire TV Stick/ ChromeCast/AppleTV/各種ルーター/各種ゲーム機 | Windows/macOS/Linux/Android/iOS/Chrome/Firefox/Edge/Apple TV/Fire TV | Windows/MacOS/Android/iOS | Windows/MacOS/iOS/Android |
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VPNアプリといっても、さまざまなアプリがあり、どのVPNアプリがいいのかわからない方も多いことでしょう。
そこで、おすすめの有料版VPNアプリを5つ厳選して紹介します。
- NordVPN
- ExpressVPN
- Surfshark
- MillenVPN
- スイカVPN
それぞれ、対応可能なOSや特徴、利用料金が異なるため、上記の比較表を参照してから、それぞれのVPNアプリの解説をご覧ください。
NordVPN
運営会社 | NordVPN s.a. |
---|---|
利用料金 | 1カ月プラン:1,960円/月 12ヵ月プラン:690円/月 24カ月プラン:460円/月 (※上記はスタンダードプランの場合の金額です) |
VPNサーバー数 | 6,300台以上(111ヵ国以上) |
接続デバイス数 | 1つのアカウントで6台 |
暗号化アルゴリズム | AES-256bit |
対応OS | Windows、MacOS、Linux、Android、iOS |
返金保証 | 30日間 |
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NordVPNは、数あるVPNサービスの中でもトップクラスの認知度を誇り、10年以上の運用実績を持つ信頼性の高いVPNアプリです。
世界中で1,400万を超えるユーザーが利用しており、その長い運用期間と実績により高い信頼を確立しています。
セキュリティについては、NSAが推奨する「AES-256-GCM」という強力な暗号化方式を採用しており、非常に高い安全性を提供しています。
企業利用者にとって、接続できるデバイス数が最大6台である点が制約となる可能性がありますが、個人ユーザーには十分な性能です。
さらに、VPNサーバーは世界111カ国に6,300台以上配置されており、サーバー負荷の分散により通信速度も安定しているのもt強みです。
また、NordVPNは海外企業によって運営されていますが、日本語のサポートも充実しており、英語が苦手な方やVPN初心者にも適しています。
ExpressVPN
運営会社 | Express Technologies Ltd. |
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利用料金 | 1カ月プラン:12.95ドル/月 6カ月プラン:9.99ドル/月 12カ月プラン:6.67ドル/月 |
VPNサーバー数 | 3,000台以上(105ヶ国) |
接続デバイス数 | 8台 |
暗号化アルゴリズム | AES-256-GCM |
対応OS | Windows/MacOS/Android/iOS/Linux/Fire TV Stick/ ChromeCast/AppleTV/各種ルーター/各種ゲーム機 |
返金保証 | 30日間 |
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ExpressVPNは、105カ国に設置された中継サーバーを通じて、業界最速クラスの通信速度を誇るVPNアプリです。
一般的に、VPNはデータを暗号化するために中継サーバーを利用することで、通信速度が遅くなる傾向があります。
しかし、ExpressVPNは速度低下を最小限に抑え、通常のインターネット接続に近い高速通信を維持しており、特にオンラインゲームやストリーミングサービスを楽しむのに最適です。
ExpressVPNは、パソコンやスマートフォンをはじめ、ゲーム機、ルーター、Fire TV Stickなどのデバイスにも対応しています。
他社に比べて月額料金はやや高めですが、高速で信頼性の高い接続を求める方にはおすすめのVPNアプリです。
Surfshark
運営会社 | Surfshark VPN株式会社 |
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利用料金 | 1ヶ月プラン:2,508円/月 12ヶ月プラン:478円/月 24ヶ月プラン:308円/月 (※上記は全てSurfshark Starterプランの場合) |
VPNサーバー数 | 3,200台以上(100ヶ国) |
接続デバイス数 | 無制限 |
暗号化アルゴリズム | AES-256 |
対応OS | Windows/macOS/Linux/Android/iOS/Chrome/Firefox/Edge/Apple TV/Fire TV |
返金保証 | 30日間 |
公式サイト | 公式サイト |
Surfsharkは、長期契約で料金が割安になるVPNアプリです。セキュリティ機能も充実しており、安心してインターネットを楽しむことができます。
Surfsharkの主な特徴は、2年プランが308円(月額)からと非常にリーズナブルかつ、同時接続台数が無制限であるという点です。
さらに、サポート体制も充実しており、24時間365日受付可能なため、ユーザー満足度も非常に高いのが特徴です。
長期契約をすることでさらにお得になるため、頻繁にVPNを利用する方や今後利用を考えている方に特におすすめです。
また、ログを残さない方針に加え、複数の国を経由するMultiHop機能や、VPNが切断されると同時に通信も遮断するキルスイッチ機能が備わっており、安全なインターネット利用が可能です。
MillenVPN
運営会社 | アズポケット株式会社 |
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利用料金 | 2年プラン:396円/月 1年プラン:594円/月 30日プラン:1,738円/月 15日プラン:1,078円/月 7日プラン:638円/月 |
VPNサーバー数 | 1,300台以上(72ヶ国) |
接続デバイス数 | 10台 |
暗号化アルゴリズム | AES-256-CBC |
対応OS | Windows/MacOS/Android/iOS |
返金保証 | 30日間 |
公式サイト | 公式サイト |
MillenVPNは、アズポケット株式会社によって提供されている、国産のVPNアプリです。
多くのVPNアプリが海外企業によって運営されている中で、国内企業による運営は日本国民にとって安心感があり、海外VPNに不安を感じる人にとって信頼できる点が強みです。
セキュリティ面では「AES-256-CBC」暗号化方式や「ノーログ」「キルスイッチ」機能を採用し、ユーザーのプライバシーをしっかりに保護されています。
NordVPNやExpressVPNに比べるとサーバー数は少なめですが、最大10台のデバイスを同時接続可能で、月額396円から利用できるという高いコストパフォーマンスを誇ります。
スイカVPN
運営会社 | 株式会社MAJ Tech |
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利用料金 | 1ヶ月プラン:1,097円/月 3ヶ月プラン:1,048円/月 6ヶ月プラン:988円/月 1年プラン:938円/月 2年プラン:878円/月 |
VPNサーバー数 | 50台以上(24ヶ国) |
接続デバイス数 | 50台 |
暗号化アルゴリズム | 記載なし |
対応OS | Windows/MacOS/iOS/Android |
返金保証 | 30日間 |
公式サイト | 公式サイト |
スイカVPNは、日本製のVPNサービスで、特に日本語でのサポートが充実している点が特徴です。
設定マニュアルやサポートが日本語対応のため、初心者でも安心して利用できる点に加え、中国などの厳しいインターネット規制のある国でも安定して接続できることから、海外ユーザーにも評価されています。
ただし、サーバー設置数が50台と少なく、長期料金が今回紹介した他社と比較すると割高になる点が懸念材料でしょう。
完全無料で使えるVPNアプリ
サービス名 | TunnelBear | VPNネコ | ACT VPN |
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運営会社 | TunnelBear.inc | FOURSEASON YUMMY PTY.LTD. | – |
OS | iOS・Android | iOS・Android | Android |
公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
次に、無料で利用できるVPNアプリを3つ紹介します。
- TunnelBear
- VPNネコ
- ACT VPN
TunnelBear
運営会社 | TunnelBear.inc |
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VPNサーバー数 | サーバー数非公開(47ヶ国) |
接続デバイス数 | 無制限 |
暗号化アルゴリズム | AES-256 |
対応OS | iOS・Android |
公式サイト | 公式サイト |
TunnelBearは、無料で利用できるVPNアプリです。無料プランでは利用できるデータ量が2GBまでと限られていますが、その範囲内で安全にインターネットを利用できます。
AES-256ビット暗号化を採用し、データ通信をしっかり保護します。
ネットワークが安全に確立されるまで、すべての保護されていないトラフィックを遮断し、常時VPN接続が維持されるため、手動で再接続する手間がなく、インターネットは常に安全な環境で利用できます。
より高い機能が必要な場合は、有料プランへのアップグレードを検討することも検討してみてもいいかもしれません。
VPNネコ
運営会社 | FOURSEASON YUMMY PTY.LTD. |
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VPNサーバー数 | 10台(10ヶ国) |
接続デバイス数 | 1台 |
暗号化アルゴリズム | 記載なし |
対応OS | iOS・Android |
公式サイト | 公式サイト |
VPNネコは、無料のVPNアプリで、ユーザー登録やクレジットカードの情報を提供する必要がなく、アプリをダウンロードするだけで簡単にVPNを利用できます。
同時に接続できるデバイスは1台に限られますが、データ使用量は無制限で、どれだけ使っても追加料金は一切発生しません。
会員登録が面倒に感じる方や、すぐにVPNアプリを導入した方にとっておすすめのアプリです。
ACT VPN
運営会社 | 記載なし |
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VPNサーバー数 | 記載なし |
接続デバイス数 | 記載なし |
暗号化アルゴリズム | 記載なし |
対応OS | Android |
公式サイト | 公式サイト |
ACT VPNは、Android向けに提供されているVPNネコの完全無料版アプリです。
VPNネコ同様、ユーザー登録をする必要がなく、ワンクリックで簡単にVPN接続が可能です。
また、データ容量は無制限で、通信量を気にせずにインターネットを利用できる点は大きなメリットでしょう。
無料のVPNアプリはセキュリティが心配されることが多いですが、ACT VPNは10年以上の運用実績があり、セキュリティ面でも信頼して使用できます。
VPNアプリの選び方
VPNアプリを選ぶ際は、以下の3点に注目して選ぶようにしましょう。
- 接続可能なサーバー数の多さ
- 海外で使用可能かどうか
- 無料or有料のどちらか
一つずつ解説します。
接続可能なサーバー数の多さ
まず注目したいのは、利用可能なサーバーの数です。サーバーによって通信速度が異なるため、接続先が少ないと通信状況が不安定になることがあります。
しかし、複数のサーバーに接続できると、最適な通信環境を選択でき、安定した接続が可能です。
日本国内のサーバーが地域ごとに設置されている場合もありますが、アプリによっては日本への接続ができないこともあります。
地域だけでなく、国単位で接続できる方が、通信の安定性が向上し、中には各サーバーの通信速度が表示されるアプリもあり、最も安定したサーバーを選ぶことも可能です。
海外で使用可能かどうか
海外でVPNアプリを利用する際には、その国でVPNアプリが動作するかどうかを事前に確認することが重要です。
特に中国ではVPNの規制が厳しく、ダウンロードしても使えなかったり、突然利用できなくなる可能性があります。
中国のインターネット規制では、YouTubeやGmail、Twitter、Instagramなどへのアクセスが制限されているため、ネットユーザーにとってVPNアプリは必須のツールです。
選んだアプリが問題なく利用できるかどうか、最新の情報や口コミをしっかり確認するようにしましょう。
セキュリティ対策はしっかりしているか
会社の機密情報など重要なデータを扱う際には、VPNアプリのセキュリティ面にも十分な注意が必要です。
情報漏洩のリスクを減らすために、VPNサービスがどの国に拠点を置いているかに注目することをおすすめします。
国によってセキュリティへの取り組み方は異なります。これには治安やセキュリティ法の整備状況に影響されるといった背景があるためです。
たとえば、スイスや、EUのサーバーデータ保持法の影響を受けない国に本拠地を置くVPNサービスを選ぶことで、万が一の際にも個人情報が開示されにくく、暗号化も守られます。
特に機密性の高い情報を扱う場合には、この点を重視することが重要です。
VPN接続をする上での注意点・危険性について
VPNアプリをインターネットに接続する上での注意点と危険性について把握しておきましょう。
- 無料のVPN接続には注意
- 通信速度の低下には注意
- 対応プロトコルが使用端末によって異なる場合がある注
無料のVPN接続には注意
無料のVPNアプリはコストがかからず魅力的ですが、使用する際には十分な注意が必要です。なぜなら、無料のサービスには限界があり、安全性や機能面で有料版に劣ることが多いからです。
たとえば、一部の無料VPNでは、データの保存や広告の表示など、利用者の情報が第三者に共有されるリスクがあり、個人情報が漏洩する可能性が高まります。
無料サービスの多くは、運営費用を広告収入やユーザーデータの販売で賄っているため、このようなリスクが発生します。
そのため、VPNアプリを選ぶ際には、無料版であっても信頼性の高いものを選び、口コミや評判を確認することが重要です。
無料だからといって安易に選ぶのではなく、安全性を第一に考えましょう。
通信速度の低下には注意
VPNを利用する際に気をつけたいのが、通信速度の低下です。VPNはインターネット接続を暗号化し、サーバーを経由して通信を行うため、どうしても通常の接続よりも速度が遅くなる傾向があります。
この通信速度の低下は、特に動画の視聴やオンラインゲームをする際に影響が大きく、快適に利用できない場合があります。
例えば、無料VPNサービスを使用すると、アクセスが集中することでさらに速度が低下し、ページの読み込みが遅くなることがあります。
また、サーバーの選択肢が限られていると、混雑しているサーバーに接続され、結果として速度が大幅に低下することが避けられません。
こうした問題を避けるためには、通信速度が保証されている有料のVPNサービスを検討することが推奨されます。信頼性の高いサービスを選ぶことが通信速度の低下を免れる施策になります。
対応プロトコルが使用端末によって異なる場合がある
VPNアプリを利用する際、対応しているプロトコルが使用する端末によって異なる場合があることに注意が必要です。
プロトコルとは、通信を行う際のルールや手順のことで、VPN接続の安定性やセキュリティに大きな影響を与えます。
たとえば、あるVPNアプリではスマートフォンでは「IKEv2」プロトコルが使えるが、パソコンでは「OpenVPN」しか選べないといったケースがあります。
それぞれのプロトコルには特徴があり、用途や接続環境に応じて最適なものを選ぶことが求められます。そのため、使用する端末に応じて、どのプロトコルがサポートされているかを確認し、適切な設定を行うことが重要です。
こうした点を事前に理解しておくことで、VPNアプリの性能を最大限に引き出し、安全かつ快適にインターネットを利用することができます。
VPNアプリに関するよくある質問
VPNアプリに関するよくある質問をまとめました。
無料のVPNアプリを安全に利用するには?
無料のVPNアプリは、どうしても有料版に比べて機能面で劣る部分が多いです。そのため、セキュリティを重視するのであれば、信頼性の高い有料VPNアプリの利用をおすすめします。
もし無料のVPNアプリを利用したい場合は、提供されているセキュリティ機能をしっかりと確認し、リスクを理解したうえで使用するようにしましょう。
VPNアプリの接続が悪くなった場合の対処法は?
VPN接続が不安定なときは、他のサーバーに切り替えるか、利用者が少ない時間帯に接続すると解決する場合があります。
それでも問題が解消しない場合は、運営会社に問い合わせてみましょう。
VPNアプリを常時オンにしておいた場合どうなる?
「常時接続」をオンにすると、セキュリティ面では安心ですが、特定のサイトにアクセスできなくなる場合や、処理速度が遅くなる可能性があります。
そのため、利用状況に合わせて常時接続を使用するかどうかを決めると良いでしょう。
VPNアプリおすすめランキングまとめ
今回は、有料版VPNアプリおすすめ5選と無料版VPNアプリおすすめ3選について紹介しました。
- セキュリティ面を一番重視するのであれば有料のVPNアプリがおすすめ
- 無料のVPNアプリの場合、どうしても通信速度が遅くなったりセキュリティ面が有料版に比べて劣る
- 無料のVPNを利用する場合はセキュリティ機能をしっかりと確認する必要がある
VPNを利用すれば、不正アクセスやデータ改ざん、個人情報漏洩のリスクを少なからず防げるようになります。
しかし、VPNであればなんでもいいというわけではなく、それぞれのアプリでどのようなセキュリティ対策が施されているのか、利用前に必ず確認するようにしましょう。